- ○谷合正明君 おはようございます。公明党の谷合正明です。 現在、我が国は、歴史的円安局面に直面をしております。今朝もニューヨークの為替市場で百四十九円九十銭台ということで、三十二年ぶりの安値を更新しているということであります。ただ、この通貨の問題は、ほかの国も米ドルに対しまして同様の動きも見せており、日本一国だけの問題でないということもうかがえます。 先週、財務大臣はG20とG7の財務大臣会合に出席をされまして、その帰国を待ってこの衆参の予算委員会が開催されているところでございます。 そこで、今の歴史的円安局面に対する財務大臣の認識と姿勢、そしてこのワシントンで行われました財務大臣会合で得られた成果というものはどういうものだったか、この点について説明をいただきたいと思います。
- ○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。 先生から御指摘がございました為替の相場でありますが、その相場等については私の不用意な発言が影響を与えてはいけませんので直接コメントはいたしませんけれども、最近のような急速で一方的な円安の進行、これは望ましくないと考えております。投機による過度な変動は絶対に容認することはできません。為替市場の動向を高い緊張感を持って注視するとともに、過度な変動に対しましては今後も適切な対応を取りたいと考えているところであります。 そして、先週、国会のお許しもいただきまして、G7、G20の会合に出席をさせていただきました。G7、G20の場においては、私から、為替の変動が急激に高まり極めて憂慮していること、G7等で合意されたとおり、為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得るもので、インフレ、資本フロー、債務問題等への影響を注視し、適切に対応する必要があること、日本も、投機による過度な変動に対応するため、二〇一一年以来の為替介入を先月実施したことを説明をいたしました。 G7声明、そしてG20の議長総括におきまして、多くの通貨がボラティリティーの増加を伴って大幅に変化したことを認識しつつ、G7やG20におけます為替相場のコミットメント、これを再確認することができたということは有意義であったと考えております。
- ○谷合正明君 我が国経済の大きなリスク要因は、今話題になりましたこの円安、そしてロシアのウクライナ侵略によりますエネルギー、そして食料品価格の高騰と、そして世界経済の景気後退の懸念だということで、これは総理も言われておるところであります。 そこで、公明党といたしましては、先月二十八日に、総合経済対策をどう打つべきかというその柱をまず総理に提言をさせていただきました。国会、参議院本会議代表質問では、山口代表から具体的に電気料金とガス料金の負担軽減について直接訴えさせていただきまして、また先週金曜日には、党といたしまして総合経済対策の具体的な提言を行いました。同じ日に行われました党首会談でも、このガス料金、電気料金について確認が交わされまして、前例のない思い切った負担緩和策を講じる、電気料金、ガスについても適切な措置を講じるということが合意されて、国会質疑でも明らかになっているところでございます。 そこで、加えて、原油価格高騰対策、これも来年一月以降継続していくということを明確に答弁していただきたいと思っております。我が党の提言を踏まえてどのようにこのエネルギー価格高騰対策を打っていくのか、総理の説明を求めたいと思います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 総合経済対策、そして補正予算については、一日も早く成立させるために、今月中に総合経済対策を取りまとめた後、補正予算を速やかに編成し、今国会に提出することを予定をしております。これまでも、三月、四月、七月、九月と対策を講じてまいりましたが、それに引き続いて切れ目なく対策を用意していきたいと思います。 そして、対策の目玉、電気料金、ガス、さらにはガソリンであると認識をしております。それらに関し、十四日、山口代表と大枠の方向性について確認をさせていただきました。あわせて、御党から総合経済対策に向けた御提言いただいております。これらを重く受け止めて反映させていきたいと思っています。 電気料金については、新たな負担軽減の仕組みを導入し、毎月の電気料金の請求において直接的かつ実感できる形で負担軽減策、講じてまいりたいと思います。そして、ガスについても、値上がりの動向、事業構造などを踏まえ、電気とのバランスも考えた上で適切な措置を講じていきたいと思いますし、ガソリンにつきましても、引き続き激変緩和措置、支援を続けるよう、総合経済対策、今詰めているところであります。
- ○谷合正明君 総理、冒頭言われたとおり、補正予算についても一日も早く成立を期していただきたいというふうに思っております。 総合経済対策では、我が党といたしましては子育て支援についても提言を申し上げております。妊娠から出産、子育てまで伴走型の相談支援の充実を図るとともに、公的支援が手薄な零歳、一歳、二歳に焦点を当て、出産育児関連用品のクーポンなどの経済的支援を一体として実施する事業を創設し、継続的に実施すること、これを提言、また党首会談でも申し上げてきたところでございます。月曜日の衆議院予算委員会では、我が党の高木政調会長の質問に対しまして、総理から、そうした子育て支援のパッケージを総合経済対策に盛り込むこと、また子育て関連予算の倍増についても来年度の骨太の議論において道筋を示すことを明らかにしていただきました。 そこで、この支援事業を速やかに、またかつ、今年度、来年度と継続的に行っていくためにも、補正予算、そして来年度の当初予算双方に予算化していくべきではないかと考えております。あわせて、具体的な支援額ですとか支援の実施スケジュール、こうしたことを速やかに示していくべきではないかと思いますが、総理の見解を求めます。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 子育て支援につきましては、支援が手薄なゼロ歳から二歳の低年齢期に焦点を当て、妊娠時から出産、子育てまで身近なこの伴走型の相談支援と経済的な支援を併せたパッケージとして充実し、継続的に実施することについて御党の山口代表と確認をしたところです。 まず、総合経済対策とその後の補正予算において、この支援のパッケージ、早期に対象者に届けられるよう取り組んでまいりたいと思います。そしてその上で、継続的な実施に向けて令和五年度予算編成過程で検討をしてまいりたいと考えております。
- ○谷合正明君 補正予算、また来年度予算ということで御答弁をいただきました。 総理がやはりこの子育て支援のパッケージについてはしっかり受け止めるという話をされましたが、それでは、この伴走型の支援とまた経済的な支援、この一体となった事業、この事業の趣旨や意義というものはどういうものなのかということを政府としてはどう認識しているのか、厚労大臣に伺いたいと思います。
- ○国務大臣(加藤勝信君) まず、現状、核家族化が進み、地域とのつながりも希薄になり、孤立感、不安感を抱く妊産婦、子育て家庭、決して少なくありません。全ての妊産婦、子育て家庭が安心して出産、子育てできる環境整備、これが喫緊の課題との認識であります。 特に、未就園児が多いゼロ―二歳児のいる子育て家庭では、日々通う場がない方もおられます。また、地域子育て支援拠点や一時預かりなど年齢を問わず利用できるサービスもありますが、これも地域によって偏りがあること等から、子育ての負担感、孤立感につながりがちと認識をしております。 そのため、今委員御指摘の事業に関して、妊娠期から出産、子育てまで一貫して身近に相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型の相談支援を充実し、安心して出産、子育てができるようにしていきたいと考えております。 また、経済的支援を伴走型の相談支援とパッケージで実施することによって相談実施機関にアクセスがしやすくなる、また伴走型相談支援の事業の実効性がより高まる、こうしたことも期待をしているところであります。 そうしたことを含め、具体的な内容について今後早急に詰めていきたいと考えております。
- ○谷合正明君 ありがとうございます。 続きまして、食料安全保障について質問いたします。 帝国データバンクによりますと、十月、今月ですけれども、主要食品メーカーで六千七百品目の値上げということで、家計に確実に影響が及んでおります。一方、生産サイド、例えば畜産、酪農におきましても、長期化する餌代の価格高騰に直面しておりまして、経営に打撃を受けております。 農業の構造改革も必要でありますけれども、日本各地の農村を回りますと、あと十年、いや、あと数年で後継者がいなくなるのではないかという、そういう切実な状況に直面をします。私も先週末、岡山の中山間地域の声を直接伺ってきたところであります。農家の平均年齢は今六十八歳で、七十歳以上の層がピークです。近い将来、今の農地を、今の農業人口の五分の一の農業人口で農地を支えて食料を生産していかなければならないという事態になってまいります。農家や漁師なくして構造改革や食料安全保障というのはあり得ません。 そこで、食品価格高騰対策、生産資材価格高騰対策に万全を期すとともに、中長期的な食料安全保障の総合的な対策を今般しっかりと講じていただきたいと思いますが、総理の見解を求めます。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、食品などの価格高騰に対しましては、これまでの輸入小麦、肥料、飼料の負担軽減策などに加え、今回の総合経済対策に、海外依存、依存度の高い小麦、大豆、飼料作物等の国産化、また、下水汚泥資源、堆肥等を活用した肥料の国産化等を強力に推進するための構造的な対策、これをしっかり盛り込み、危機に、危機に強い農業構造への転換、これに取り組んでまいります。 そして、委員の方から中長期的な取組という御指摘がございましたが、今言った取組を行った上で、担い手の減少、高齢化など農業水産、農林水産業を取り巻く情勢の変化を踏まえて、一つ目としてスマート農林水産業、二つ目として輸出促進、三つ目としてグリーン化、四つ目として食料安全保障の強化、これを四本柱として農林水産政策を総合的に転換し、担い手の確保を図りつつ、食料安全保障の強化と農林水産業の持続的な成長、これを推進していく施策を進めていかなければならないと思います。 こうした直近の課題に対する対応と中長期的な課題、共に進めるという視点が重要であると認識をいたします。
- ○谷合正明君 今、スマート農業や輸出、そしてグリーン化、食料安全保障、四本柱と言われましたけれども、私はその中でも食料安全保障がもう一番大事だと思っております。それに関連して農林水産大臣に伺いたいと思います。 私は、今年の決算委員会で、食料自給率の向上や米の需要拡大の対策の一例として米粉の利用促進について質問をいたしました。課題は、やはりこのコストであったりとか品質の問題があると思います。 米粉用の米の、米粉米の作付面積は徐々に拡大してきておりますけれども、その中にパンや麺に適した米粉専用品種の作付けというのはもう一割程度で、余り大きく広がっていないわけであります。同時に、米粉を製粉していくその機械も身近にないといった課題もあります。さらに、需要面においても、製粉メーカーでしっかりとこの利用が広がらないと消費も伸びないという課題がある。 したがって、川上から川下まで、これ課題が多いと思うんですけれども、一気にやってほしい。さらに、この米粉を利用するというのはどういう意義があるのかということも含めて説明をいただきたいというふうに思います。
- ○国務大臣(野村哲郎君) いつも農林水産委員会で議論させていただいておりまして、ありがとうございます。 今日は所変わって予算委員会でありますが、今、谷合委員の御指摘のとおり、私ども、米粉の拡大に相当力を入れていかなきゃいかぬだろうと。国内で唯一余裕があるのが米でありますから、これを最大限に活用しない法はないと、こんなふうに思っておりまして、国内で生産できるものは国内で生産していくというのが基本的な姿勢でありまして、国産米粉の利用拡大にこれはもう最大限の力を注がなきゃならないと思っておるんです。 先ほど質問にありましたように、ジャポニカ米の中でもいわゆる長粒種の米が、これが麺用に向いている、あるいはまたパン用に向いている、こういったことを今品種を選定しておりますが、ちなみに申し上げますと、パン用にはミズホチカラという品種、あるいはまた、笑みたわわという品種が非常に適しているというのが言われております。それから、麺用には、ふくのこ、あるいは亜細亜のかおりという、そういうネーミングのお米が、今我々が通常食べている米じゃなくて別な品種の長粒種なんですが、これを活用したら麺に向いている、あるいはパンに向いているということで、今そういったことを農水省の方では検討しておりますし、あるいは、まだほかの品種があるかもしれない、そういったことを今やっておりまして、用途ごとに適した米粉の専用品種の開発も進めてまいりたいというふうに思います。 それから、委員おっしゃいましたように、普通、この米粉を、米を粉にするというのは、ほとんど麦を粉にしている、いわゆる米粉の、米粉じゃない、麦粉の、麦の製粉業者の方が多いんですが、最近では米粉の製粉業者の方もだんだん増えてきておりまして、我が省としては、製粉施設の導入だとか、あるいは、先ほど申し上げました米粉の特徴を生かした新商品の開発だとか、こういったことでパンや麺などの機械設備の導入と併せて品種の改良も進めてまいりたいと、こんなふうに思っております。 それから、現在検討中の総合経済対策におきましても、必要な対策を盛り込むことによって取組を加速化してまいりたいと、こんなふうに思っているところでございます。 ありがとうございました。
- ○谷合正明君 野村農水大臣、大変ありがとうございます。 先ほど総理からは、肥料の国内調達化という話も出てまいりました。食料安全保障上これは極めて大事であります。 備蓄を、制度をつくっていくということも検討されていますが、実はこの肥料はほとんど国内で生産できていないわけですね。これをどうしていくかということで、実は下水汚泥には肥料に欠かせないリンや窒素を含んでいます。日本には約二千の下水処理場がありますが、ほとんどは、下水道汚泥の多くが焼却されておりまして、肥料利用は約一割にとどまっています。循環型社会を築いていくために、国として、自治体と連携して、下水汚泥資源の肥料化に向けて積極的に取り組むべきだと考えます。 下水処理場、下水を所管する国交大臣に伺いたいと思います。
- ○国務大臣(斉藤鉄夫君) 谷合委員にお答えいたします。 持続可能な食料システムの確立に向けて、下水汚泥を肥料として利用するということは大変有意義であり、資源型、資源循環型社会の構築にも資するものと考えております。今委員御指摘のありましたように、今一割しか利用されていない。我々は、これを一〇〇%利用する、コンポスト化やリン、窒素の回収ということで、一〇〇%利用することを向けて頑張っていきたいと思います。 そのためには、汚泥肥料に対する農業従事者や消費者の理解増進と、それから肥料化するための施設整備の促進が必要であると考えております。このため、まずその理解増進ですが、農業従事者や消費者の理解増進に向けて、農林水産省と緊密に連携し、汚泥肥料の安全性をPRするなどの支援を行っていきたいと思っております。 また、肥料化するための施設整備については、地方公共団体に対して必要な財政支援をしっかり行っていきたい、そして施設整備に必要なコストの縮減等に対する技術開発を進めていきたいと思っております。 以上です。
- ○谷合正明君 よろしくお願いいたします。 次に、地方創生臨時交付金について伺います。 政府においては、今年度一次補正予算に今後の備えとして予備費を計上して、その中から、地方創生臨時交付金の補充など、これまで対策を講じてきたところでございます。 地方自治体では、エネルギー、原材料、資材価格の高騰対策など、その地域の実情に応じた対策を講じてきているところであります。今般、総合経済対策を策定し、補正予算を編成するに当たりまして、地方創生臨時金の確保、拡充を求めたいと思いますし、予備費など不測の事態に備え、不測の事態への備えも求めたいと思います。 総理の見解を求めます。
- ○国務大臣(鈴木俊一君) 地方創生臨時交付金につきましては、足下のエネルギー、食料品等の価格高騰の影響を受けた生活者や事業者に対しまして、地域の実情に合わせて必要な支援をきめ細やかに実施するために、先般、六千億円の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を創設をしたところでございます。まずはこの交付金を活用していただきたいと考えております。 今後の対応につきましては、地方自治体における執行状況等も踏まえまして、必要に応じて検討をしてまいります。 コロナ・物価予備費につきましては現時点において約一・三兆円残っておりますので、これを活用しつつ、新型コロナや物価高騰による国民生活、経済活動への影響に機動的に対応してまいりたいと思っております。 その上で、積み増しのお話もございましたが、コロナ・物価予備費の更なる積み増しを行うべきかどうかということにつきましては、今後の新型コロナの感染状況や物価動向、これまでの予算の執行状況等を踏まえつつ、国民の安心を確保するための備えとして、更なる予備費の追加が必要かどうかといった観点から判断をしてまいりたいと思っております。
- ○谷合正明君 地方の取組におきましては、岡田地方創生担当大臣におかれましても是非強力な援軍をお願いしたいというふうに思っております。 次に、外交・安全保障の質問に移りたいと思います。 ロシアによりますウクライナ侵略は半年以上も続いています。力による一方的な現状変更の試み、民間人への無差別攻撃、これは断じて容認することはできません。ロシアだけではありません。北朝鮮の度重なる弾道ミサイルの発射、中国の活発化する海洋進出など、我が国周辺の安全保障環境は厳しさを増しています。法の支配に基づく国際秩序の維持は大変に重要です。しかし、ロシアに対する姿勢など、アジア、アフリカの国々の中には歴史的経緯や経済的側面からG7とは温度差があるのも事実であります。 国際秩序の維持に向けまして、十一月のASEAN、APEC、G20などをどう生かしていくのか、次期G7議長国であり、来年一月から安保理の理事国を務める我が国としてどう取り組むのか、総理に伺います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 現在、ロシアによるウクライナ侵略により、これまで国際社会が依拠していた国際秩序が挑戦を受けている中、我が国は、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して対応してまいりました。アジア唯一のG7メンバーとして、インド太平洋の情勢も踏まえた独自の視点で欧米各国と議論あるいは協力、これを実施してきました。 御指摘の十一月のASEAN、APEC、G20といった国際会議の機会には、法の支配に基づく国際秩序の維持強化の重要性につき、同志国と連携しつつ、アジア各国を始め、いわゆるグローバルサウスと言われる中間国への働きかけ、これを精力的に行っていきたいと考えております。 来年、G7の議長国、また来年から二年間にわたる安保理非常任理事国も務めることになります。安全保障、経済、また地球規模の課題など、幅広い分野で積極的な役割を日本外交としても果たしていかなければならない、このように考えております。
- ○谷合正明君 私たち公明党も、政党外交としてこうした国際環境の改善のために取り組んでおります。(資料提示) 九月十一日から十八日まで、公明党は東欧調査団を派遣しまして、私が団長となりましてポーランド、モルドバ、ルーマニアを訪れまして、我が国の基本姿勢を伝えるとともに現地の支援ニーズを調査しました。 まず、日本国民、日本政府へ感謝の言葉がどの政府からも、どの国際機関、またNGO、そして避難民からもですね、感謝の言葉があったということをテレビやラジオの前の皆様にお伝えしたいと思います。日本のウクライナ支援が評価されているにもかかわらず、ただ、現地を、現地、周辺国を訪れる日本の政党、政治家がほとんどいませんので、日本の政治家のプレゼンスが低いのは非常にもったいないという印象も持ちました。 先日、公明党の要請もありまして、ウクライナのキーウでの日本国大使館は再開されました。しかし、大事なことは政治家の対面外交だと思っています。ほかのG7の国では、首相や閣僚がキーウを訪れて、大使館の再開等ですね、表明し決定しているということなんですね。日本では逆で、大使や外交官がまず先に訪れて、準備が整ってから政治家が訪問するという意識が強いのではないかと私は思います。 来年のG7で、日本の首脳や閣僚だけが現地を訪れていないで、緊迫するウクライナ情勢の議論をリードできるでしょうか。今は、ロシアによるキーウへの攻撃が行われており、一旦安全確保が最優先ですが、いずれ政治ハイレベルのキーウ訪問は必要であると考えます。 総理の見解を伺います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御党のこの視察につきましては、先日お話を聞かせていただきました。この現地の生々しい動き、そしてどんどん変動している様々な状況につきましてお話を聞かせていただきました。大変意義ある視察であったと受け止めております。 その中で、我が国の政治家が現地に足を運ぶ必要性ということでありますが、基本的に、政治家が足を運ぶことの意味、これは大変大きなものがあるとも感じています。 ウクライナ訪問ということにつきましては、我が国におけるこの渡航情報を含む諸般の事情、これを踏まえて適切に検討していかなければならない課題だと思っております。その中にあって、何が可能なのか、政府としても考えていきたいと思っております。
- ○谷合正明君 今、ウクライナでは冬の寒さ対策が急務となっています。私たちの調査団は、ウクライナ大統領府の復旧復興担当の副長官から我が国に対して、学校、スクールバス、住宅、暖房インフラの復旧をお願いしたいとの要請を預かってきました。この度、来日中のウクライナ国会議員団からも同様の要請がありました。 総理は、総合経済対策にウクライナ支援も盛り込む旨、山口代表の本会議質問に対して答弁をされました。 そこで、具体的に、国際機関経由だけでなく、ウクライナとの二国間支援を通じて生活支援、インフラ復旧支援を実施すると、また、来年G7議長国ですから、ウクライナ復興支援国会議を開催してウクライナの立場に寄り添った復興をリードしていくべきだと思います。また、先ほど総理も言われました中間国に対する支援も忘れてはなりません。 国際協調を強化していくためにも、グローバルサウスへの支援も総合経済対策に盛り込むべきと考えますが、総理の見解を伺います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国はこれまで、ウクライナ、ウクライナ及びその周辺国などに対し約十一億ドルの人道支援を表明し、順次これを実施しております。この中には、グローバルサウスと呼ばれる国・地域に対する約二億ドルの食料関連支援も含まれています。先般御党から頂戴した提言も参考にさせていただきつつ、総合経済対策等の中で越冬支援あるいは生活再建支援を含めしっかりと検討してまいります。 そして、復興につきましては、今月、ドイツがこのウクライナ復興支援に関する専門家会議を開催し、また、明年は英国主催の国際会議が見込まれております。 我が国としても、来年のG7議長国としてこういった取組を後押ししていく、さらに、我が国として何が考えられるのか、これを考えていきたいと思っております。
- ○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。 最大の避難民受入れ国、ポーランドなんですが、林外務大臣も行かれましたが、EU加盟に伴いまして日本のODA卒業国となりまして、二国間のODA支援はしていません。しかし、ウクライナ避難民を支援するポーランドを支えていくことはODAの意義に合致すると思います。ポーランドは日本の戦略的パートナーであり、ウクライナ支援の基点でもあります。二国間支援を通じた連携強化を図るべきと考えます。 また、現地を訪れた際、国際機関や日本のNGOからは避難民を支援する現金給付についても要請を受けました。現在、人道支援の主流となっております現金給付ですが、日本のODAは実質それに使えない運用となっています。これも現場の実情に合わせて弾力的に変えていくべきだと思います。 外務大臣の答弁を求めます。
- ○国務大臣(林芳正君) この我が国がODAを供与する対象国・地域でございますが、OECDの開発援助委員会、DACが定める援助対象国・地域リスト、これを目安としております。今委員から御指摘がありましたように、ウクライナ周辺国のうちでポーランド、ルーマニア等はDACリスト掲載外となっているため、現状で二国間支援の対象となっていないわけでございます。 一方で、こうした国々でも国際機関や本邦NGOを通じたウクライナ避難民を対象とする緊急人道支援、これは可能でございまして、我々としても国際機関や本邦NGOを通した支援をいち早く決定して実施しておるところでございます。 今委員からお話がありましたように、危機が長期化をしておりますので、これらの周辺国の負担や脆弱性、増加してきていると、そういう認識を持っておりまして、避難民支援を効果的に実施する観点からは、引き続き、ウクライナ周辺のODA卒業国への二国間支援を含めて、どういうことが可能か、検討してまいりたいと思っております。 また、現金給付についても御指摘がありましたけれども、この人道支援の手法として現金給付は国際的にも採用されている形態であると承知しておりまして、ただ同時に、国民の税金を原資としているODAを実施する際には国民に対する説明責任を果たすことが求められておりますので、どのような形で支援を行うことが適切か、これは国際機関や関係機関とも意見交換しつつ検討してまいりたいと思っております。
- ○谷合正明君 いずれも検討課題だということだと理解しましたけれども、しっかり前向きに検討していただきたいと思います。 それでは、ウクライナから日本に来る避難民に対する支援について伺いたいと思います。 ポーランドの空港では、日本に避難するウクライナの方々と面会いたしました。日本人に会うの初めてなんだけれども日本に対する憧れがあっただとか、あと、日本は治安がいいということで、日本への避難を決断された家族の方々でございました。 もう総理がこの受入れの指示を表明されてから、我が国は二千人を超えるウクライナ避難民を受け入れておりまして、生活支援も一年間続けることを決定しています。総理がもしまだウクライナ避難民と面会していないのであれば、是非お会いしていただきたいと思いますが、私はその法的根拠がないまま受入れや支援が続いていることに不安を覚えます。 日本で暮らすウクライナ避難民への支援の安定性を図るため、また、今後の有事を想定し、補完的保護を可能とする法整備をしっかり進めていくべきではないかと考えます。総理の答弁を求めたいと思います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) ウクライナ避難民のように、本国情勢等を踏まえ、人道上の配慮を要する方々を一層確実に保護する制度を設けること、これは重要な課題であると認識をいたします。 現在、政府としては、法務省において出入国在留管理制度全体を適正に機能させ、真に保護を必要とする方々を適切に保護するとともに、送還忌避、長期収容問題という喫緊の課題を一体的に解決するために、補完的保護対象者の認定制度の創設を含む入管法の改正に向けた必要な検討を進めているところであり、この取組を進めてまいりたいと考えております。
- ○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。 さて、核の問題です。 プーチン大統領は、先月二十一日に、我が国の領土保全が脅かされるのであれば、利用可能な全ての兵器を使うと警告し、核兵器の使用を示唆しました。ロシアの核戦略の基本原則は、通常兵器による攻撃でも自国の領土の存亡に関わる脅威となる場合、核兵器を用いた反撃を認めています。また、北朝鮮では、七回目の核実験が行われる懸念さえあります。 そこで、ロシアの核兵器の使用、北朝鮮の核実験の可能性に関する情勢、どのように認識しているのか、核のエスカレーションを防いでいくためには、日本としてどういう役割があるのか、この点について総理の答弁を求めたいと思います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 急速に緊張が高まっている国際情勢の冷徹な現実、これはあらゆる可能性を想定し、備えを怠ってはならない、こうしたことを我々に告げているんだと思っています。 私は、これまで、日本が唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核兵器による威嚇も、ましてや使用も決して容認できないと、国連やあるいはG7など様々な国際場裏において訴えてきました。また、最近の一連の北朝鮮の行動、これは我が国のみならず国際社会全体の平和と安定を脅かすものであり、断じて容認できないと思います。今後、核実験の可能性もあると認識をしております。 我が国としては、来年のG7議長国や安保理入りも見据えながら、こうした法の支配に基づく国際秩序や世界の平和と安定を脅かす暴挙に強く反対をし、国際社会の連帯とこの抵抗の、対抗の動き、牽引していきたいと考えております。 核につきましては、やはり今、核兵器のない世界に向けての機運を再び盛り上げる大変重要な時期を迎えていると思います。そうした中にあってG7の議長国を務める、是非その立場から、こうした機運を再び盛り上げる取組を現実的に具体的に積み上げていきたいと考えております。
- ○谷合正明君 機運を盛り上げるとおっしゃいました。まさに来年G7を広島で、総理の地元の広島で迎えるわけでありますが、首脳、各国のリーダーが被爆の実相に触れるという、そういう機会でもありますから、これは本当に大変重要な一年になると思っております。 総理は、NPT再検討会議に日本の総理としては初めて出席をされました。NPT再検討会議は、ロシア一国による反対によりまして、最終成果文書、まあこれコンセンサスで決まるものですから一国だけでも反対になるとまとまらないという、最終成果文書をまとめることはできませんでしたが、しかし前進した部分も多いと率直に評価します。 最終成果文書案には、核兵器の廃絶までの間、それが二度と使用されないよう締約国はあらゆる努力を尽くすことや、被爆者支援や環境修復支援、また、核兵器禁止条約そのものにも初めて言及がなされました。大切なことは、次回のNPT再検討会議にどう道筋を付けていくかということだと思います。 総理はこの最終成果文書案を新たな議論の土台が示されたと述べていますが、この文書案の中身を最低ラインとして、G7広島会合でのこの共通の見解として合意を目指していくべきではないかと私は思います。被爆者支援や環境修復についても具体的に日本が貢献すべきだと思います。 以上、NPT再検討会議の評価、次回会合に向けての道筋、そしてNPT再検討会議での最終成果文書案の内容をどう広島G7会合に生かしていくかについて、総理に伺います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、先般のNPT運用検討会議における最終成果文書案は、ロシア一国によりコンセンサス合意に至らなかった、成立しなかった、こうした経緯をたどりました。このことについては、言葉を換えて言うならば、ロシア以外の核兵器国、米国やあるいは中国を含む他の全てのNPT加盟国がこの最終文書案にはブロックしなかった、コミットしたということであると認識をしております。このことの意味は大きかったということを申し上げております。今後の核軍縮・不拡散の議論の土台となる文書が今回の最終成果文書案に、がなるんだということを感じているところです。 そして、その中において、御指摘のように、核兵器の不使用の継続の重要性、これも盛り込まれました。そして、日本が提案したいわゆるヒロシマ・アクション・プラン、四項目があります。これも全て盛り込まれました。その四項目の中には、今言った核兵器の不使用の継続もありますし、核の実相に触れることの重要性ですとか、FMCT、CTBTを始めとするこれまでの取組の重要性ですとか、核の不拡散に対する重要性、こういった内容が盛り込まれているわけですが、こうしたものが取り上げられたこと、これは内容において大変重要であったと思います。 是非、これを一つの基礎としながら今後の取組、年内にも日本で国際賢人会議、これを開催したいと思います。G7のサミット、これも大きなきっかけになると思います。こうした機会を捉えて、こうした文書に基づいて具体的な取組を続けていくことが機運の再びの盛り上げにつながると信じて取り組んでいきたいと思っております。 その中で、核実験被害国における被害者支援、環境修復支援についても日本はこれまで積極的に行っているところですが、こうした協力についても今後日本として取組を続けていきたいと考えております。
- ○谷合正明君 是非、総理のリーダーシップを果たしていただきたいというふうに思っております。 次に、コロナ対策について伺います。 我が国では、これまで過去二回、年末年始にかけて感染拡大の波を経験しました。多くの専門家は、第八波による感染者数は第七波より多くなると指摘しております。対策の鍵となるのはワクチン接種です。第八波への備えに万全を期すため、また経済活動との両立を図っていくため、オミクロン株対応のワクチン接種を促進することが重要であります。 そこで、オミクロン株対応ワクチンの意義や安全性、有効性について、BA.1対応ワクチンと新たなBA.5対応ワクチンとの違いについて、インフルエンザワクチンとの同時接種について、国民に分かりやすく説明していただきたいと思います。
- ○国務大臣(加藤勝信君) まず、従来型のワクチンから、今オミクロン株対応ワクチンの接種をお願いしておりますが、このオミクロン株ワクチンについてはBA.1とBA.4―5と二つのタイプがありますが、その両タイプにかかわらず、オミクロン株成分を含むことで従来株のワクチンを上回る重症化予防効果、また、今後の変異株に対するより高い効果が期待されるとしております。 また、安全性についても現時点では重大な懸念は認められていないということで、接種対象者の方には、今申し上げたBA.1とBA.4―5にかかわらず、そのときで接種可能なオミクロン型対応ワクチンの接種をなるべく早くに打っていただきたいというふうに考えております。 また、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンについては接種の間隔を空ける必要はありません。また、同時接種も可能ということであります。これについては、それぞれを単独で接種した場合と同時に接種した場合を比較して有効性や安全性は劣らないという報告を踏まえ、本年七月の関係審議会で認められたところであります。 また、オミクロン株対応ワクチンは、現時点では初回接種を完了した十二歳以上の全ての方が対象で一回接種するとしているところでありまして、間隔を五か月以上空けてということでありますが、昨日の関係審議会で薬事上の接種間隔が三か月以上と変更され、今日の予防接種に係る審議会でその間隔で予防接種することについて御議論いただくということでありますので、その結果を見て、もう既に四回目を打たれた方、まだ五か月たっていないという方もいらっしゃると思いますが、三か月以上で対応が可能となれば、是非そういった皆さんにも打っていただけるよう、しっかりと体制を講じていきたいと思います。
- ○谷合正明君 まあこれ、接種間隔が三か月に、以上になれば大方の方が年内ということが見通しが出てきますので、希望者の年内接種完了を目指してしっかりと自治体とも連携して取り組んでいただきたいと思っております。 新型コロナウイルスの治療薬について伺います。 我が国では現在九種類の治療薬が承認されておりまして、開発中の治療薬も幾つかあります。その中で、無症状の患者にも使える治療薬について、先月、第三相パートにおいて主要評価項目を達成した旨が発表されました。現在審議継続中ですが、国産のワクチンや治療薬を早期に実用化できるよう、今年の通常国会で法整備された緊急承認を使った手続であり、通常の審査と違った、より柔軟な判断が求められます。 第八波の到来が懸念される中で、重症化リスクがない方や無症状でも服用できる経口薬は重要な切り札となります。緊急承認の趣旨にのっとった迅速な審査をお願いしたいと思いますが、厚労大臣の見解を求めます。
- 0○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘の薬は現在承認申請中の新型コロナ治療薬である塩野義製薬のゾコーバ錠というふうに思いますが、この薬については企業から緊急承認を希望する承認申請がなされております。本年七月の関係審議会で一度審議されましたが、その際は継続審議とされましたが、その後、当該企業から第三相試験で良好な結果が得られた旨が発表され、現在、順次データが提出されております。 ハイリスク患者以外の軽症者にも投与できる治療薬、また国産の治療薬に対する期待は大変高いものがあることを認識しており、緊急承認も念頭に、医薬品医療機器総合機構で速やかな審査を進めていきたいと考えております。
- ○谷合正明君 よろしくお願いいたします。 次に、マイナ保険証について伺います。 政府は、現行の健康保険証を令和六年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証に切り替える方針を表明しました。公明党として、方向性は賛成であり、推進すべきと考えますが、十分理解が行き渡っている状況ではないわけであります。多くの声は、事実上の義務化ではないのか、取得率が約五割にとどまっているではないか、情報流出の懸念はないのかといったものであります。 そこで、デジタル担当大臣において、医療面におけるカード一元化の意義や必要性、情報漏えい対策について、国民に分かりやすく説明を求めたいと思います。
- ○国務大臣(河野太郎君) マイナンバーカードと保険証を一体化することで、医療機関や薬局などと医療情報を共有しながら質の高い医療を受けることができるようになります。もちろん、カードの枚数が減るというメリットもございます。また、医療機関、保険者には、コストの削減につながることになります。 マイナンバーカードには医療情報が書き込まれることはなく、マイナンバーカードのICチップに入っている電子証明書で資格の確認などを行いますし、医療機関の資格情報のためのネットワークは閉ざされたネットワークを使うことになりますので、情報が流出するということはございません。 多くの国民の皆様から様々懸念や不安がある、これはよく理解をしておりますので、一つ一つ丁寧に御説明をして、こうした不安、懸念を払拭するように努めてまいりたいと思っております。
- ○谷合正明君 大事なことは、そういう情報が国民に伝わることが大事だと思いますので、河野担当大臣においては、引き続き丁寧な情報発信、周知をお願いしたいと思っております。 課題は、高齢者などデジタルギャップのある方々に対してどうマイナンバーカード取得を促していくかということであります。カード取得の徹底に加えまして、申請手続についても、これ簡素化、これも必要だと思います。 医療面において、マイナンバーカードを取得できない方、高齢者などデジタルギャップのある方々に対してきめ細やかな対応を求めたいと思いますが、国民の関心は高まっております。総理の答弁を求めたいと思います。
- ○内閣総理大臣(岸田文雄君) マイナンバーカードについては、令和六年度秋を目指して、この保険、健康保険証の廃止等を目指すことになっております。その際に、保険証廃止後も国民の皆様が必要な保険診療等を受けられる環境を整備していくこと、これは言うまでもないことです。 まずは、デジタル庁、総務省を中心に、マイナンバーカード、カードの取得に、取得の徹底に加え、全ての方がマイナンバーカードを持ち得るように、カードの手続、様式の見直しを進めてまいります。 さらに、何らかの事情により手元にマイナンバーカードがない方が必要な保険診療等を受ける際の手続についても、遺漏のないよう関係府省に検討を指示をいたしました。 また、保険証の廃止に向けては、細部にわたりきめ細かな環境整備をするとともに、医療を受ける国民の皆様の理解が不可欠です。この点についても丁寧な取組を指示したところであります。 政府として、こうした取組を進め、国民の皆様に対する丁寧な説明に努めていきたいと考えております。
- ○谷合正明君 何らかの事情により手元にマイナンバーカードがない方であっても必要な保険医療は受けられるということ、ここが大事なところだと思います。その具体的な手続について早急に示していただきたいと思っておりますし、また、マイナンバーカードの取得についても、これ、地域差、都道府県によっても差が結構あると思うんですね。きめ細やかな対応をお願いしたいと思っております。 次に、包摂社会について伺います。 多様性が尊重される社会は、岸田首相の掲げる新しい資本主義の基盤となるものであります。しかし、いまだに性的少数者への理解が進まず、権利が守られていない状態は、単なる国内問題のみならず、時に、魅力的な投資先、勤務先として日本が選ばれることの障壁となり得ります。このことは、在日米国、欧州、オーストラリアの各商工会議所からも意見書として表明されています。 そのうちの一つ、外国人同性パートナーへの在留資格付与についてでありまして、パネルを用意させていただいておりますが、外国人同士なら、この同性婚の場合のところを見ていただきたいんですけど、外国人同士なら特定活動の在留資格が認められる権利が、日本人と外国人の組合せになると、実はこれ、はてなになっていますが、これは現状認められておりません。これは、外国人にとっては不安定な制度であり、日本人にとっては大変不公平な制度となっています。 誤解される方がいますが、これ、同性婚を認めることとこの問題は違うんですね。同性婚ということは、それはもう配偶者ビザで入ってきますから。今回言っているのは、この在留資格の特定活動の有無の話であります。 この質問を法務委員会で一年半前にしたときには、法務大臣から前向きに検討する旨の答弁を得ていますが、もう一年半たちました。外国人同性パートナーへの在留資格付与を認めるべきと思いますが、法務大臣の答弁を求めます。
- ○国務大臣(葉梨康弘君) お答えします。 まず、そのパネルですけれども、外国人同士であっても、その外国人の国が同性婚を法律で認めているという場合であるということを付言した上で、御指摘のとおり、我が国、同性婚を認める法律がないものですから、外国人パートナーの身分関係を規律する法律がないということで、在留資格として定型的に、なかなか、現段階では認めていくというのはなかなか難しい点があるということを指摘した上で、当該日本人の、あるいは、日本人あるいは同性婚が認められていない国の外国人で日本での定住資格が認められている方等の生活ですとかあるいは業務、そこに外国人の同性パートナーが本当に不可欠かどうか、そういうようなことを個別に現在においては判断をしながら、在留特別許可なりですね、その外国人、個別、不可欠な場合には同性パートナーも日本で在留特別許可等が得られるような、そういうような運用は今現在はしているわけですけれども、引き続き、この在留資格の在り方については、様々な御意見を十分に踏まえながらしっかりと前向きに検討してまいりたいというふうに考えています。
- ○谷合正明君 ここでも前向きに検討なんですけれども、やっぱり時間が掛かっているわけです。 四年前ですね、当時、河野外務大臣は、公明党の同僚議員の高瀬議員の質問に対しまして、指摘に対しまして、いや、この仕組みは明らかにおかしいという答弁があったんですね。来年G7迎えるんですけれども、今、林外務大臣も外務省としての見解は変わらないということでよろしいんでしょうか。
- ○国務大臣(林芳正君) この同性婚などの様々な家族形態を有する国の方々が我が国で暮らしやすく、かつ日本の国民にも受け入れられるような環境、これをどのように構築していくか、これ重要な課題の一つと認識しております。 今法務大臣からも、外国人同性パートナーの在留資格の在り方についてしっかりと前向きに検討していくという答弁がございましたが、外務省といたしましても、法務省と引き続き緊密に連携してまいりたいと考えております。
- ○谷合正明君 もう結論を出していただきたいと思います。 最後に、自殺対策、子供の自殺対策について伺います。 小倉担当大臣におかれましては、こども家庭庁が発足するに当たりまして、この子供の自殺対策、児童生徒の自殺対策についての推進役として是非力を発揮していただきたいと思っております。 その取組の決意、伺うとともに、今悩みを抱える相談者向けの電話相談窓口の一本化について取組が進んでおります。民間団体の協力を得て、統一ダイヤル、シャープ九九九九を試験的に実施していますが、是非これを恒久化すべきだと考えますが、小倉担当大臣、答弁を求めます。
- ○国務大臣(小倉將信君) 谷合委員におかれましては、自殺対策を推進する議員の会の副会長として御活動いただいておりますことに敬意を表し申し上げたいと思います。 お答えですけれども、御指摘のとおり、子供が自ら命を絶つことはあってはならないことでありまして、子供の自殺予防のための取組を進めていくことは極めて重要だと考えております。 先週閣議決定いたしました新たな大綱におきましては、子供、若者の自殺対策が大きな柱として盛り込まれておりまして、孤独・孤立対策担当大臣だけではなくて、来年発足をいたしますこども家庭庁の準備をする担当大臣といたしましても、関係省庁との連携、緊密な連携の下で子供政策を担う立場からしっかりと前に進めていきたいというふうに考えております。 具体的には、子供の居場所づくりや困難を抱える子供に対するアウトリーチ型、伴走型の支援、いじめの防止に向けた地方自治体における体制づくりなど、厚生労働省や文部科学省の取組と相まって、子供の孤立を防ぎ、自殺予防に資する取組を推進してまいります。 また、内閣官房では、これも御指摘をいただきましたが、子供を含む孤独、孤立に悩む方々の相談を二十四時間受け付ける孤独・孤立相談ダイヤルの試行を行っております。これまで二回試行を行っておりまして、音声ガイダンスの最初に十八歳以下の方向けの相談窓口を案内をすることで、子供が相談しやすいような工夫を行わさせていただきました。 これまでもたくさんのお問合せを受けておりまして、年内に更に試行を行うこととしておりますけれども、いつまでも試行というふうにも言っていられないので、試行結果を踏まえまして、総合的な相談支援体制の本格実施に向けました環境整備を私としても進めてまいりたいというふうに思っております。 以上です。
- ○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。 最後になりますが、民主主義の土台は政治に対する国民の信頼であります。大衆とともにとの立党精神を、公明党の立党精神を胸に、常に国民に寄り添った政治をしていく決意でございます。そのことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
- ○委員長(末松信介君) 以上で谷合正明君の質疑は終了いたしました。
第210回国会 参院予算委員会 第2号 2022年10月20日