8月30日付け公明新聞の「永田町からのEメール」を転載します。ウズベキスタンから書き送ったものですから、「ウズベキスタンからのEメール」ということでしょうか。
海外協力隊の経験が生かせる国内環境を
今月16日から10日間の日程で、中央アジアのウズベキスタンとカザフスタンを訪れている。
参議院の調査団の一員として、この地域における日本のODAの実態やあり方について調査しているが、ウズベキスタンでは、青年海外協力隊員と会った。この国では、協力隊員20人中17人が女性。現地の病院や大学で、看護師、日本語教師をするなど様々だ。
それぞれ苦労されている様子をうかがった。「ボランティア」という立場の難しさ、(生徒が)日本語を生かす機会が少ないこと、旧ソ連時代の医療の弊害など、現場の人間でしか分からないことばかりだった。
今回、シニアボランティアの方々にも会った。ウズベキスタンでは、派遣されている8人全員が男性。エンジニアの方が参加した動機を語った。
「第2次大戦後、父が極東からウズベキスタンに強制移送された。しかし、ここでは抑留者への対応は人道的だった。その父の恩を返したい」。動機そのものに心を打たれた。
訪問中、ウズベキスタンには人権面、制度面など課題が山積していることを知った。一方、非常に親日的で若い人口が多い国であることも知った。
現地の人の言葉を借りれば、「この国の宝は、綿花や金ではなく、若い人材」なのだ。
青年もシニアも、相手国の人材育成に一役も二役も買っている印象を受けた。
隊員が帰国後に、そうした苦労や経験を生かせる環境を日本につくっていかなければならないことも痛感した。
(ウズベキスタンにて記す)
(谷あい)
【エッセー】ウズベキスタンからのEメール