先ほど、安倍新総裁が選出されました。戦後生まれのはじめての総理が誕生することになります。以下、党青年局のHPに載せたものを転載します。
総裁選を目前に控えて
中川美術館を訪れる
今日、 20 日は自民党の総裁選である。間もなく選出されるその人が、事実上、次の日本の総理大臣となる。
先日、広島県福山市にある中川美術館を訪れた。中国現代美術品などを収集した個人の美術館だ。館長である中川さんとは議員になって以来、何度かお会いしているが、ようやくその美術館を訪れることができた。
はじめに通された木陰でしばし歓談。この場所に小泉総理が座りました、と館長。そう1年前の8月6日に小泉総理はこの美術館を訪れている。その2日後が郵政解散だから、その時、館長と総理がどんな話をしたのか興味深い。
館長によれば、総理は予定を大幅に延長して、絵画・陶磁器を鑑賞した。私には単に趣味で美術鑑賞したとは思えない。解散総選挙を睨みながら、日中関係改善のためのパフォーマンスという批判もあったようだが、そんな単純なものでもなかろう。
館長は続けて語る。
西洋美術の画家を5人挙げてください。ゴッホ、レンブラント、ピカソなど名前が出てくるでしょう。では中国美術の画家を5人挙げてください。どうです?1人でも言えますか?日本の実業家・政治家はどのくらい中国のことを知っているのでしょうか。中国の文化・芸術が日本に伝わってきたことを知りながら、中国の要人に対し、上海の経済発展ぶりやゴルフのスコアの話ばかりしていたら、相手にバカにされますよ。政治家には是非、文化・芸術から中国人の懐に入っていただきたい。
館長は、中国現代美術や陶磁器の見方を 2 時間ぐらいかけて丁寧に説明してくれた。1人で鑑賞していたら、きっとその価値は理解できなかっただろう。鄧林(鄧小平の娘)、呉作人などの作品を鑑賞した。飾られていた鄧林の絵は日中国交正常化 30 周年記念( 2002 年)の郵便切手のデザインにも採用された。
今度の総裁選ではアジア外交が一つの争点になった。どの候補も中国との首脳会談を今年中に実現させる意思を表明している。北朝鮮問題を解決するためにも、中国首脳とのホットラインは必要だ。
靖国問題を棚にあげて、絵画だけで関係改善がはかられるわけではないが、日本の総理には中国の文化・芸術にも最大限の敬意を示しながら、後退した日中関係の改善を進めるべきだ。後世に日中友好改善のために尽力したと、両国民から慕われる総理であって欲しい。
館長は期待を寄せて言う。「きっと次の総理もこの美術館を訪れるに違いない。」総裁選を目前に控え、中川館長との会話を思い起こした次第である。
(谷あい)
【エッセー】総裁選を目前に控えて