今、まさに教育基本法改正案を審議する衆議院の特別委員会が再開されました。野党の審議拒否による欠席のもと、起立総員で原案の通り可決されました。
野党は強行採決したと主張し、国会のすべての法案審議をストップさせる模様です。会期末まであと1ヶ月というスケジュールで、他の重要法案の審議をすべて止めることが、果たして本当に国民のためになるのか、はなはだ疑問であります。
ところで、本日の公明新聞「永田町からのEメール」に手記が載りましたが、一部加筆したものをアップいたします。
新JICAに日本独自の国際貢献を期待
今年のノーベル平和賞にバングラデシュ人の経済学者ムハマド・ユヌス氏が選ばれた。グラミン銀行の創設者でもある同氏は自国の貧困を救うために、「マイクロクレジット」という手法を開発した。これは、従来銀行から相手にされなかった貧しい人々、特に農村部の女性たちを中心に、無担保の小額融資をするものである。女性たちはこれを元手に小さな商売から始め、やがて自立を目指す。
私はかつてザンビアでこの事業を経験しているので、今回の受賞には特別の嬉しさを感じている。連帯責任を負った5人1組のグループを作り、各人に数百ドルの融資をする。あわせて商売のための裁縫教室、識字・計算教室などの教育を複合的に支援する。もちろん思い通りに商売がうまくいかないこともある。しかし、こうした活動を通じ、彼女らは本来持っている自分の能力に気づき、地域のリーダーとして活躍する女性も生まれた。
ところで、マイクロクレジットは私たち日本人にも無関係ではない。ODAのNGO向け予算の中には、近年マイクロクレジットの原資支援が含まれるようになった。また国際機関経由でもアフリカのリベリアに対し、今年度は約2500万円のマイクロクレジットを含む事業が実施されている。私たちの税金がこのようにして役に立っているのだ。
先日、国会で新JICA法が成立した。ODAの一元化がスタートすると、新JICAは世界2番目の規模の援助機関になる。私は今後も国会ではODAのムダ使いの追及や、納税者へのPRを要求していくが、新JICAはノーベル賞を取れるほど、日本独自の国際貢献を創出して欲しい。
(谷あい)
【エッセー】新JICAに日本独自の国際貢献を期待